あいさつ　（田園盛一　-　ﾌｪｲｽﾐﾆｽﾄﾘｰｽﾞ日本代表）

　長い間、ロシアのために祈り続けてまいりましたが、このような形でロシアの伝道に、奉仕するとは思ってもいませんでした。モーリス師より、「日本でフェイス・イン・アクション(FIA)聖書学校の責任を引き継いでくれないかと」との要請を受け、神様の導きを祈り、引き受けることとなりました。

　神様は私達家族を昨年の４月に、習志野教会の牧師として、ハワイより日本に戻して下さました。私達の家族にとって、大きな引っ越しでした。とくに二人の子供は、日本語も日本の文化もまったく知りませんでしたから、非常に困難でした。ハワイの多くの友人や、楽しい生活もすべて捨ててしまったからです。私は日本で家族の生活をすべて整え、教会の働き、また対外的な要請など、非常に忙しい日々を送っています。

　しかしロシアの伝道にたずさわることが出来、心から感謝しています。そしてFIA聖書学校のために、全力を尽したいと願っています。どうぞ、この働きのために祈り、サポートを続けて下さい。

　FIAでの経験は私にとって新しいものでした。ロシアに始めて足を踏み入れたことで、大きな期待感と興味がありました。神様が今、ロシアでどのような働きをされているかを目の当たりにしたのです。期待通りに、FIA聖書学校での神様の働きはすばらしく、多くの学生は困難な環境から、恵みによって救われ、聖霊に満たされ、神様の働きのために命をかける程、熱心に燃えているのです。神様への大きな情熱に満ちています。神様のためにほとんど全てをささげており、「このような情熱を私は持っているだろうか。」と大きなチャレンジを受けました。

　私は「霊的成長」を主な主題として、連続の講義をいたしました。講義が終わると、多くの質問がなされました。神様の通り良き働き人となるために、霊的な成長への熱心さを見ることが出来ました。神様の豊かな哀れみが、彼らの証しに明らかでした。

　彼らがこのFIA聖書学校の訓練を終え、ロシア各地に遣わされ、大いに主に用いられる事は、私にとって本当に喜びであり、感動でもあります。この度、９名の学生が卒業し、私は卒業式のメッセージと卒業証書を手渡す特権にあずかりました。

FIAの施設
　FIA聖書学校では、多くの学生が牧師や伝道者として訓練を受けています。私はこのFIA聖書学校が、ロシアの将来に、大きな霊的影響を及す鍵を握っていると、信じています。FIA聖書学校は、かっての軍用地でした。そのほとんどの建物は荒放題で、全く使える状態ではありません。

　校長のディマ・チェルナコブ師は「現在、ロシアと旧ロシアであった近隣の国々の教会から、150人程の入学希望者があります。けれども現在私達は、最高で20人しか受け入れることが出来ません。施設がないからです。将来、もっと大きな施設が与えられるように、祈っています。」と話してくれました。私もこれからのロシアの伝道と福音化のために、大きな施設の必要性を強く感じました。これからもこのロシアの働きのために、私自身がもっと祈り、世界中の教会やクリスチャンに伝える必要性を、強く感じました。どうぞ、このロシアの働きのために、続けてお祈り下さい。

田園盛一より

　ロシアは東洋でもなければ、西洋でもありません。外見から見れば、何も問題がないように見えますが、実はルールのないゲームのようなものです。極東ロシアはキリスト教の影響が必要です。プリモスキー地方には約2,000の町や村が存在しますが、クリスチャン人口は、たった３％です。

　伝道集会はあまり効果がありません。この５年間で、58回の特別集会を持ち、58,000人が来ました。その中で18,000人しかイエス様を信じ救われました。この地方の教会はまだ弱く、小さいのです。敬虔な強い信仰を持っているクリスチャンは、まだ少数です。

　セルグループの方法は、ロシアではあまりうまく行きません。特に村においてはそうです。プリモスキー地方の多くの村における最も効果的な方法は、若い献身的なクリスチャンによる、絶えまない、弟子訓練だと思います。

　しかし時にはそのような若い伝道師は、基本的な霊の原則さえ、教えられていないこともあります。ですから、乱用や失敗もあります。現在ロシア語で、聖書講義や通信教育がありますが、それは神学的な内容だけです。多くの牧師は、強力な、訓練された働き人を求めています。そして、それは共に生活し、共に学ぶことが出来る、FIA聖書学校だけが、そのような準備された働き人を訓練し、提供出来るのです。

　このことに関して、多くの実例があります。学生が18の教会のから学びにに来ました。卒業して、彼らは母教会に戻り、14の教会が成長しました。私達の卒業生は、牧師、賛美リーダー、伝道者、家庭集会の指導者、ビジネスマン、製鉄所員、セールスマン、農夫、主婦などです。FIA学校の卒業生の15％しか、フルタイムの奉仕をしていませんが、すべての卒業生は教会において、大きな影響力を持っています。

　先日訪ねてくれた牧師が、「このFIA学校は神様からのものであると、確信しています。それは小さいけれども、ここですばらしい働きが成されているからです。」

　私達がFIA聖書学校で教えているものは、極東においては非常にユニークです。ですから、大きな明るい将来があります。

昨日一人の学生が門限より遅く帰ってきました。私はその理由を聞くと、私を見て返答に困っているようでした。「何があったのですか。」と聞くと、彼は「ディマ先生、５年前私は友達に麻薬を教えました。けれども今日、その友人をイエス様に導くことが出来ました。彼は神様の前で泣いていました。」と話してくれました。

　極東の人々は、非常に圧迫されています。ですから、何でも喜んで受け入れる、心の準備が出来ているのです。また霊的に、非常に危険な時でもあります。私達は知恵が必要です。神の国のためにロシアを勝ち取るために、将来の新しい教会の指導者を訓練し、養成するためには、今が非常に大切な時です。どうぞ、FIA聖書学校のために、続けてお祈り下さい。