極東ロシアでの

フェイス・イン・アクション聖書学校

ニュースレターの目標

信仰ミニストリーズのニュースレター2001年5月

 これまで多くの方々から「ロシアで今何が起こっているのですか。」との質問を受けます。しかしあまりしっかりと連絡がとれないため、「良く分かりません。」と答えます。けれども私は神様が、人々の人生に、すばらしいことをなして下さっていることを、知っていますが、その反面、毎日ロシアの人々が、その日の生活をするのに、信じられない程の難しい状況と、問題に直面していることも、知っています。私達の安定した社会と文化と比較し、彼らの生活状況やいろいろな制限、貧困などは、日常生活の一部となっていることなど、なかなか想像することが出来ません。これはロシアの話です。かっての超大国と言われたロシアにおいて、数知れない村々で、水道設備がなく、家の外にトイレがあり、仕事もなく、そして多くの男性は若くして、アルコール中毒で死にます。
 このような中にあって、神様の恵みも多くあります。神の言葉やクリスチャンの生活を学ぶために、私達の聖書学校に、そのような方々が学びに来ます。下記に、ディマから来た証しを含めて、数人の証を記しました。 (モーリス師より)

ディマ・チェルナコブ校長より

 ロシアの共産主義の崩壊は、新しいイデオロギーへの渇望を生じました。ロシアは新しい希望を探しています。現代のロシアの決定的な霊的貧困は、大きな心の空洞を生み出しました。セントピーターズバーグやモスクワに多くの援助が流れ込んだにもかかわらず、一方では北ロシアや極東ロシアは、ほとんど注目されませんでした。

 ですから私達の聖書学校のような計画は、若い教会に希望を与えるユニークな存在です。私達の卒業生はこの地域の開拓者です。多くの牧師先生方は、その働きの必要をはっきりと自覚しています。過去2年間の聖書学校の働きの結果、この地域において、霊的な覚醒が明確になっています。18のクリスチャンのグループと3つの教会が、6つの団体から学びに来た卒業生によって、始められました。それらのいくつかを報告いたしましょう。

 コンスタンチンSさんは路傍伝道が好きです。彼は一人の下半身麻痺のご婦人の住所を手に入れました。彼女に油を注いで祈りました。するとその女性はいやされ、立ち上がりました。その結果、翌日には30人が福音を聞こうと、町に出て来ました。

 ゼンヤSさんは、村に開拓伝道を始め、16才から19才の若者を集めました。今日ロシアの若者はすぐにイエス様を受け入れます。それはこの世の魅力など、彼らの心を満足させなかったからです。
 フェドーAさんはブリスク村で伝道しています。最初は子供や10代の若者達が40人ばかり来ました。それから両親達が来るようになりました。

 極東の霊的な飢え乾きは大変なものです。それはロシアの人々には、「将来には全く希望がない。」との思いが深いからです。ですから伝道は非常に効果的です。このようなすばらしい機会を失う可能性もあります。今日ロシアの教会は「2倍の学生を訓練してもらいたい。」と、私達の聖書学校に求めています。現在19人の学生が学んでいます。

 学生は現在、イースターのために精力的に準備しています。ある学生は近くの大学でセルグループを始めました。この学期は、ジョージア、アザバズハン、ウクライナ、ロシアから学びに来ており、ユニークです。そこには少数派の学生と、ロシアの学生の間にはすばらしい一致があり、これは一般の社会では全く想像出来ないことです。

学生の証し

◆セルゲイNさん
 30才のサーゲイさんは2年前に救われました。彼は癌にかかっており、入院していました。カリスマのグループの教会の方々が訪問し、イエス様を受け入れました。翌日には彼の身体には癌はありませんでした。医者は非常に驚きました。医者は彼が3年しか生きられないと思っていたからです。

 セルゲイさんは現在聖書学校の学生であり、非常に健康です。彼は自分の村に帰り、教会を開拓したいと願っています。まだ教会が一つもないからです。



◆ローマンLさん
 ローマンさんはこのクラスでは一番若い学生です。一年前にイエス様を信じました。彼は浮浪者でした。そこで、アメリカ人の宣教師と通訳者に会いました。その時信じることが出来ませんでした。しかし、小さな新訳聖書を受け取りました。彼は読み始め、祈り始め、神様に助けを求め始めました。彼は、聖書学校卒業後は、両親の元に帰り、教会に仕えたいと願っています。

◆ゼンヤSさん
 ゼンヤさんはシベリヤ出身の43才で、クリスチャンになって3年になります。奥さんからイエス様の話を聞きました。彼は典型的なロシアの男性でした。ウイークデイには働き、週末には酒を飲んでいました。特別に信仰を持っていませんでしたし、何一つ希望もありませんでした。ある日家に帰ると、奥さんが「私はイエス様を信じました。」と言いました。そして奥さんはペンテコステ教会に出席するようになりました。彼は奥さんを殴り、信仰捨てなければ、離婚すると脅迫しました。しかし、奥さんは彼のために祈り続けました。一年後、牧師がゼンヤさんを訪問し、「もしあなたがイエス様を信じなければ、死ぬでしょう。」と言いました。

 その夜、彼はイエス様を信じました。2日後に聖霊のバプテスマを受けました。その1ヶ月後、水のバプテスマを受けました。

 それから、5人の友人がイエス様を信じました。そして、その5家族で自分の地域で、教会を始めたいと願っています。彼はすばらしいクリスチャンに成長しました。聖書学校卒業後、母教会に帰ります。牧師は彼のために働きを準備しています。



◆コンスタンチンSさん
 スパスクダリニから来たコンスタンチンさんは、麻薬中毒で非常に荒れた生活をしていました。19才の時、年上の方と結婚し、3人の子供を得ました。麻薬を取り続けるだけでなく、町で麻薬の売人をしていました。

 ある日、自宅の電線が切れたため、修理をし始めました。そして裸電線に触れ、感電し気を失いました。気がつくと多くの人が周りに集まっていました。それから自分に何が起こったかを思い出しました。彼は光りを見て、その光りに向かって飛んでいました。そして光の中に輝く人を見、その人は彼が家に帰り、人々にイエス様のことを伝える、と言いました。その瞬間、彼は意識を取り戻しました。

 彼は何一つ理解出来ませんでした。しかし、隣のアパートの人がクリスチャンでした。彼は聖書を手に入れ、読み始め、祈り始めました。しかし、彼は以前と同じで、全く変えられてはいませんでした。2年後、彼は刑務所に入れられ、刑務所で他のクリスチャンに出会いました。彼はそこで始めて本当にイエス様を信じました。祈り始め、聖書を読み始めました。釈放された後、彼は聖書学校に入学しました。彼のビジョンはスパスクに戻り、釈放された後の囚人の更正のために、働きたいと、願っています。

◆ラリサRさん
 ラリサさんは小さな村から来ました。彼女はフェイスインアクション(FIA)の学生が伝道実習のために彼女の村に来た時に、イエス様を信じました。彼女の村の教会の牧師はFIAの卒業生です。彼女は大変な人生を歩んでいました。3回結婚し、3人の子供を持ち、最初のご主人を殺したために刑務所に入りました。

 イエス様を信じた時、彼女は多くの苦い心を持っていましたが、徐々に心の傷がいやされました。FIAの教師から、彼女は多くのいやしをいただき、本当に人生が変わりました。彼女は主にあって他の学生の、母親的な存在になっています。



◆フェドーAさん
 一番年輩の学生で、ポグラニチニ村から来ました。2年前にイエス様を信じました。その前に、重いアルコール中毒症で、非常に大変な人生を贈っていました。2人の娘さんがあり、大人になると、「お父さん、私達は絶対に結婚したくないわ。それはお父さんが非常に悪い夫なので、どんな男の人でも大嫌いよ。」と言いました。

 ある日、彼は酔いつぶれて、レストランから家に帰ることが出来ず、道ばたで倒れていました。目がさめると、家の中にいるのに気付きました。牧師は自分の家に彼を運び、彼を洗い、着替えさせてあげ、良く世話をしてあげました。彼はイエス様を信じ、教会に出席するようになりました。

 2ヶ月後、彼は再びウォッカを飲み始め、結核にかかりました。医者は、あと2、3年の命であることを告げました。その後オレゴ牧師は病院に見舞いに行き、祈ると彼はいやされ、健康で明るい人になりました。

 卒業後、プリモルスキ地方に行き、開拓伝道をする予定になっています。この話に加えてすばらしいことがります。それは聖書学校に学んでいる間、2人の娘さんを訪問し、許しを乞いました。そして共に泣き、すばらしい関係を回復することが出来ました。


◆テルマンAさん
 テルマンさんはチェチェニヤから来ました。イスラム教の影響を受けて育ちました。5才の時に、自分の村にオーソドックスの牧師が伝道に来て、村の人々は彼を石で打って殺したことを、覚えていました。

 17才の時のある日、ロシア人が村に来て、17才の全ての若者にサインをさせました。翌日、彼らは全員連行され、強制的に軍に入隊させられました。テルマンさんは極東のプリムルスキーに送られました。彼はロシア語があまり話せなかったために、多くの問題に会いました。それに加えて、文化がイスラムの方法とは違ったものでした。隊長は、彼は不従順だと言って、刑務所に入れてしまいました。

 刑務所でミクハイル牧師に会い、イエス様の話を聞きました。1週間後、彼は心からの悔い改めをし、救われ、異言の伴う聖霊のバプテスマを受けました。現在彼は熱心なクリスチャンで、信仰も大きく成長しています。

 彼は卒業後、自分の村に戻り、自分の人々に福音を伝えようと願っています。最初は、自分の村に戻ることが恐くて、考えることさえ出来ませんでした。しかし、主からのビジョンと預言をいただきました。すると彼は、イエス様が自分の人生を、どんなにすばらしく変えて下さったかを、親戚や友人に見せたいと、言いました。



◆ゴッチアNさん
 ゴッチアさんは36才でジョージアで育ちました。両親は彼をロシアの大学へ送りました。ウラジオストックに来て法律を学びました。しかし、卒業出来ませんでした。それは数人で、盗みを計画したため、刑務所に入れられたからです。刑務所でミクハイル牧師に会い、イエス様を信じました。そして、祈りを学び、聖霊のバプテスマを受け、釈放されて聖書学校に入学しました。

 ゴッチアさんは面白い人です。ロシア語をおかしな発音で話します。しかし、とても賢くて、心をイエス様に大きく開けています。彼は卒業後、ホームレスの子供のために家を建てたいと、願っています。彼は子供が好きで、子供達も彼が大好きです。

◆ラスランPさん
 ラスランさんはユダヤ人です。ロシアでユダヤ人であることは非常に大変です。ロシアのユダヤ人は生きるためには、良い教育を受け、良い成績を残し、その他、大変な努力をしなければなりません。ラスランさんは生きるために、非常に強くなろうと決心し、心を閉じていました。色々な状況下で、彼は町の暴力団の仲間に加わり、店やマーケットを襲いました。しかし、ついに捕まり刑務所に入れられました。そこで彼はゴッチャさんと一緒に、イエス様を信じました。聖書を読み、祈り始めました。しかし、彼の内側では戦いがありました。ある日聖書を読み、翌日にはもう読みたくないこともありました。3日目にはまた読み始める、と言った具合でした。しかし、少しずつ変わって行きました。

 9月に彼は聖書学校に入学しました。スタッフとぶつかりました。彼は非常に強い意志を持っていたからです。しかし、イエス様に心を開くと、イエス様は彼に「従順な人になりなさい。ここでヨセフのようにならなければならない。この学校はあなたにとって、すばらしいチャンスとなるから。私はあなたを通して教会を建てる。」と個人的に語られました。彼は今、そのビジョンを強く持って励んでいます。



◆ガリナさん
 ガリナさんはウクライナのワードオブライフ教会で、イエス様を信じました。彼女は不治の婦人病にかかっていました。しかし、祈祷会で聖霊のバプテスマを受けた時、完全にいやされました。翌日家に帰ると、両親も子供達も、「まるで別人にようになった。」と言いました。

 ガリナさんはナホトカに引っ越しました。彼女の牧師はFIAの校長のリマさんに紹介しました。彼女は「もっと良い人になり、伝道出来るように聖書を学びたいと、3年間も祈っていました。」と言いました。

◆ゼニヤZさん
 ゼニヤさんは32才で、クリスチャンになって2年です。彼は犯罪人でも悪い人でもありませんでしたが、ずっと人生の目的を探し続けていました。彼は多くのカルトに入り、ついには律法的な教会に導かれイエス様を信じました。自分の良い働きでイエス様に仕えようと努力しました。ある日、FIAの学生に出会い、神様の愛を教えられました。彼は学生達の心の中に、愛を見ることが出来ました。そして救いとは、私達の業や態度ではないことを知りました。彼の心は変わり、彼の教会も変わりました。しばらくして、聖書学校に入学しました。彼は良い、従順な学生で、カルトや律法主義から、人々を解放する働きのビジョンを持っています。



◆マリナAさん
 マリナさんはご主人を殺害しました。ご主人が彼女にひどく暴力を振ったからです。刑務所に一年間入っていました。2年前に刑務所でクリスチャンになりました。彼女はこの経験を通して、全く変えられ、彼女のために祈っていた他のクリスチャンに会いました。そして苦い根が取り去られ、聖書学校で、多くの励ましといやしをいただきました。卒業後、自分の村に帰り、子供達のために働きたいと願っています。

学生への援助

 それぞれの学生には、どのように信仰を持つようになり、どのようにFIA聖書学校に学ぶようになったかの、ユニークな物語があります。ほとんどの学生はあまりお金がありませんから、私達が食物や宿泊や授業料を提供しています。

 あなたからのフェイスインアクションへの献金が、それを可能にしています。献金によって、ロシアの教会が強くなり、希望のない国に光りをもたらすことが出来ます。

聖書学校の施設の再建

 この10ヶ月、私達は、クリスチャンの建築家や技術者のグループからの報告を、待っています。彼らはウラジオストックに行き、私達の学校の建設のために助言をしてくれることになっています。今年雪が降り始める前に、学生寮を建て、本校舎の修理のための情報を期日に間に合うようにと、願っています。しかし、建設のためのボランティアーを募り、材料のための資金が満たされるまでには、時間がかかりそうです。遅くならないうちに、この計画が実行されるように、祈って下さい。

FIAの卒業生の働き

 エディクさんとカチャさんは、1994年に出会い、1995年に卒業後結婚しました。シベリヤのティンダで忠実に主に仕え、昨年、開拓教会と他の働きのために、ハバロフスクに遣わされました。

 息子のマークさんが共に行き、今年娘のリリアさんが生まれました。ハバロフスクの天候はティンダのように厳しくなく、春がもう来ているので、非常に喜んでいます。

 エディックさんは、セルゲイ牧師と教会で奉仕するかたわら、青年達の協力を得て、ハバロフスクの教会の一致のために働いています。

 他の働きは、その地方の多くの軍人への伝道です。最近、「ジーザス」の映画を150人に見せ、道徳と霊的なことについて説明しました。多くの質問を受け、良き反応を得ることが出来ました。その集会は2つの新聞に好意的な記事になり、FEBCのラジオにも放送されました。4月に軍の人々と、一般の方々への伝道が計画されています。

 昨年の7月に、エディックさんはユニークな伝道を試みました。伝道グループは船を雇い、ハバルフスクから海に向かってアムール川を下って行きました。川沿いの全ての町に停泊し、説教、賛美、祈りをし、多くの人々に福音を伝えました。船はチームの宿泊に用いられ、コンサートや集会にも用いられました。

働き人へのサポート

 エディックさんとカチャさんは、アメリカの教会の援助を受けていて、非常に感謝しています。しかし、他に多くの卒業生が同様な状況にあり、援助を受けていません。信仰ミニストリからその中の何人かに、定期的に援助しようとしていますが、その金額は私達が受ける献金によって、変わります。

 1ヶ月150ドルを家族に、100ドルを独身の働き人にと願っています。皆様の献金が彼らの働きに大きな助けとなります。お祈り下さり、定期的にサポートを神様から示されれば、ぜひご連絡下さい。

常磐剛兄姉に感謝します

 過去2年間、私がニュージランドに引っ越して以来、常磐剛兄は日本の代表として、ご奉仕下さいました。しかし、仕事のために2人の子供と共に、家族揃ってアメリカに派遣されました。私達の多くの献金は日本からです。常磐兄と奥様、そして彼らの教会のメンバーと共に、ウラディオストックのFIA聖書学校の働きのために、多大な努力を惜しまずにご奉仕下さったことを、心から感謝しています。


田園兄を心から歓迎します

 私達の新しい日本での代表は田園牧師です。私達の日本での奉仕の最初の時代からの友人です。田園牧師はハワイでの伝道後、昨年日本に戻り、奥様と子供2人と共に、東京の隣の千葉県に住んでいます。

 田園師は6月にハバロフスクに行き、FIAで教え卒業式を行ってくれます。


祈祷課題
1。FIAの学生、スタッフ、教師のためにお祈り下さい。今ではロシア人教師が、教える責任の多くの持ちつつあります。

2。学校の経済的必要のためにお祈り下さい。1ヶ月約2000ドルが必要です。これは日本円で25万円に当たります。

3。FIAの建設と改築のためにお祈り下さい。また法的な手続きが速やかに行われますように。

4。極東ロシアとシベリヤの卒業生の働きのために、お祈り下さい。

5。日本で責任を引き継ぐ田園牧師のために、お祈り下さい。日本の教会にFIAの働きと伝道を、チャレンジ出来ますようにお祈り下さい。

感謝!
 これまでお祈り下さり、ご献金して下さり、ロシアに行き助けて下さった方々に、心からの感謝を申し上げます。皆様の愛のささげ物は、神様とロシアの方々に、大きな喜びを与えて下さっています。彼らに代わってお礼を申し上げます。

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